色の話
『現代広告の心理技術101』というDRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)の手法を紹介した本を読んでいたんですが、「業界関係者だけが知る、最も反応が取れる(=物が売れやすい・ウケがいい)色の組み合わせ」というものがあって、それが《青 × 黄色》なんだとか。
現代広告の心理技術101―お客が買わずにいられなくなる心のカラクリとは
- 作者: ドルー・エリック・ホイットマン
- 出版社/メーカー: ダイレクト出版
- 発売日: 2011/12
- メディア: 単行本
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《青 × 黄色》といえば、TSUTAYAだけでなくファミマや自販機でも使える『Tカード』がまさにそうです。他にもIKEA、明光義塾、ブックオフ……
また、色合いを薄目にすれば『ふなっしー』。
ハワイの写真などでもよくそういう青と黄色の組み合わせを見かけますが、「非日常感」をイメージさせるトロピカルな感じが実は都会人にはたまらないのかな、とひとつ思いました。
そもそも人は年齢を重ねると『青』に惹かれる傾向があるそうで。
老化しつつある目の細胞を守るため、人体の防御本能としてまぶしい色や光はだんだん鬱陶しくなる……というわけで『青』。
もちろん歳を重ねても若々しい人はその限りではないですが、群青色がテーマカラーのFacebookを使っているのは40〜50代(およびそれ以上)が何気に多いというのも、この話とけっして無関係ではないかと思います。
ちなみにランキング形式でいくと、
第2位 青 × 赤
(たとえばアメリカ・イギリス・フランスの国旗、床屋のくるくる回るやつ、動脈と静脈)
第3位 赤 × 緑
(クリスマスカラー、村上春樹『ノルウェイの森』の表紙)
第4位 紫
(日本文化やワインのように高級感のある色)
……
と続くのですが、けっして万人向けでない組み合わせももちろん載ってました。
それが《紫 × オレンジ》と《赤 × オレンジ》。
この本自体が40代前後の読者を狙ってそうなので「そうそう、そういえば私は最近(目の衰え的に)オレンジのようなメラメラとした色がキツいのじゃよゴホゴホ」という、何というかランキング調査の段階で対象者に偏りがありそうですが、《紫 × オレンジ》《赤 × オレンジ》で真っ先に連想したものがひとつありました。
『エヴァンゲリオン』です。
エヴァ初号機のメインカラーは紫、そして首周りがオレンジ。
エヴァ弐号機は赤、そして二の腕周辺がオレンジなんです。
(他には血しぶきも、物語のカギを握るオレンジ色の液体も大量に出てきます。)
鬱要素満載の作品があれだけ人気なのは「あえて不快な色をふんだんに使ったから?」という、エヴァに関してはこれはレアなケースですが。
一方、「人は赤を見ると興奮するし、紫は何だか強そうな色」というのも、作品の人気を集めるうえで重要な柱です。
そんな“色”の奥深さ。
ミリタリー系の服が好きなので、ふだんは横浜駅前の川の底みたいな色の格好しかしてないんですが、この機会にカラーコーディネーターの勉強でも始めてみようかなと思います。